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昨日 診察の帰りに 空っぽの冷蔵庫を埋めるため モール内のスーパー
へ寄ってもらった。

一階のスーパーで食料品だけを買って帰るつもりでいたら 夫が
まず三階へ行く と言って エレベーターに乗った。

三階には 夫がかかりつけのマッサージ店があるから 予約でもする
のかな と思ったし 本屋も三階だから私にとってもありがたかった。

ところが夫は マッサージ店ではなく エアウイーブの専門店へ入った。

そこには 値段も構造も違う三種類のエアウイーブのマットが
ベッドの上に敷いてあった。

夫は店員を呼び 私に それぞれの上に寝て寝心地を試させてやってほしい
と言った。

靴を脱いで三種類の上に次々に横になってみると 違いがよく分かった。

三つのうち一番値段が下の物でも 私が毎日敷いて寝ているマット
よりはるかに高い。

今使っているマットだって よくテレビで有名人が出て宣伝している
低反発のマットだから 値段はそれなりにした。
それを三年以上使ってきた。

復元性が強くて体圧を分散するから 腰や肩などの痛みを軽減する と
いうので今まで使ってきたが これまでの私は寝返りどころか
仰向けでの就寝ができなかったから ずっと右半身を下にしてきた。

そのため 本来ならすぐに平らに復元するのだろうが 毎日同じ位置に
圧がかかった結果 平らになるまで戻らなくなっている。

それを知っている夫は 今回の手術を機会に 新しくマットを買い替え
てやろう と思っていたらしい。

ありがたいことだ。

試してみると 当然だが 一番値の張るマットが寝心地も腰の当たり具合
もいい。

夫は それも予想していたことだったらしく 私にしてみたら
目の球が飛び出るくらい高い値段のそのマットを 即買ってくれ
車に積んで帰ってきた。

そして 昨夜は 初めてそのマットの上で寝た。

まだ痛みが引かなくて上向きには寝られないが 適度に硬い腰の
部分は当たりが良くて 前のマットのように沈まなくていい。

良いものを買ってもらった。

でも 私だけがこのような贅沢をしては申し訳がない。 
毎日ずっと動いていて 質の良い睡眠を必要とするのは夫なのだ。

ちょうど来月には夫の誕生日がくる。

トラの子をはたくことにはなるが サプライズで 同じマットを
夫にプレゼントしよう と 今朝 密かに決めた。

  
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昨日 真昼の暑い最中だったが 予約時間が午後一時から一時半の間
だったので 夫の車に乗せてもらって出かけた。

行ったら聞いてみようと思っていた事があった。

最近 少し腰をかがめたりすると 埋め込んだ機器から脇腹の下辺りへ
ビリビリと弱い電気が走る。

痛くはないし体勢が戻ると止むから 体への影響はないが もし体内で
接続が悪くて漏電でもしているのなら それは問題だから その点を
聞きたかった。

医師に話すと それは 埋め込んだ電極が 態勢によって神経そのもの
に近づいてしまう時に起こる事で 心配はない と言われた。

人によってビリビリが起きる態勢が違って 上向きに寝ると起きる人も
あるらしい。

原因と別に支障がないことが分かり安心した。

せっかく埋め込んだのだから薬を減らす方向を考えましょう と言われ
とりあえず 貼り薬のノルスパンテープを四枚から三枚にした。
これで一週間様子見だ。

この貼り薬は 高価なのと薬効が強いために 一度に処方する枚数が
二週間だと八枚まで と決められていて 四枚が一度に使用できる限度
らしい。

これ以上の強い薬効を求めるとなると あとはモルヒネ系のテープに
なってしまう。

だから私はこれまで 毎週四枚のギリギリの枚数を使っていた。
それだけ痛みが強くて 服薬だけでは痛みをカバーできなかったからだ。

それが今回 埋め込み手術をすることによって緩和された痛みがあるので
その分 まず初めにこのテープを減らすことができた。

しんどい思いをしてまでした手術だが 根治したわけではなく あくまで
緩和するための手術だから これからも 減らすとはいえ薬は離せない。

これから一生 機器と薬に助けられての生活が続くわけだ。

痛みそのものは緩和したが そうなるためにする煩わしい行為が増えた。

埋め込んだ機器へとコントローラーへの充電だ。

特に 体内の機器へのチャージは 必ず一日置きにしないといけない。

人によって違うが一日に減る平均が約十%だ と業者は説明したが
私の場合 一日に なぜか確実に二十%は減ってしまう。

残りが五十%を切ると 機器の効果が悪くなるので できるだけ五十を
切らないように とも言われた。

そうすると 私の場合は二日で残量が六十になってしまうから 三日
経つと五十を切ってしまうことになるため できればコンスタントに
一日置きにチャージしなくてはならないことになる。

コントローラーへの充電は スマホやPadの充電と同じだから 違和感
なくできる。

ところが 体内へ充電するなんて行為は 生まれてこのかた今回が初めて
のことだ。

埋め込んだ機器が ちょうど真ん中に当たるように 平たくて ドーナツ
のように真ん中が空いている物を 体に押し付ける。
そのコードの先をコントローラーに差し込むとチャージがはじまる。

ちょうど真ん中の空いている部分に機器が当たるようにするには なにせ
埋め込んだ場所が腰の少し下の臀部だから 巻きつけて固定させるための
ベルトが付属品でついていてもむずかしい。 
ちょっと動いただけでも真ん中の円から機器が外れるらしく 充電状態が
悪い と コントローラーに表示が出る。

うっかりチャージを忘れそうになる事と直ぐに外れてしまう充電時の
うっとうしさに 未だに慣れないでいる と実感する。

おまけに今後は 外泊の際には 充電に必要な物を持ち歩かねばならない。
これまで以上に荷物が増えることになる。

それに 今は 術後の痛みがなかなかとれないのも うっとうしい。

気長に気長に 我慢我慢 と毎日自分に言い聞かせている。





 

朝食を食べ終える前に「外来から呼ばれていますから行ってください」 
と 看護師が言いに来た。

入院患者は 予約して外来で診てもらう時とは違って 外科ゾーンの
受付を済ませると 待たないでそのまま 直接 処置室へ入って行く。

モタモタして入って行くのが遅くなると 看護師か庶務の人が
処置室の外まで迎えに来てくれる。

だから 行きさえすれば直ぐに診察になるから 呼ばれたからといって
言葉通りに慌てて降りて行く必要がない と これまでの何回もの入院
経験で承知しているので 食べ終えた後 歯磨きしたり 昨夜寝苦しくて
汗をかいていたので体を清拭したりした後 降りて行った。

処置することは何もないので 抜糸後の傷口の状態の確認だけで終わった。
退院後の体の動かし方や過ごし方について 再度注意され 次回の予約日
の確認をして おしまい。

ちょうど手術に立ち会ったもうひとりの医師もみえて とにかく まだ
手術したばかりだから だからまだあちこちの痛みも当分はあるのだし
体を動かすのは慎重に と 重ねて言われた。

迎えに来てくれた夫の運転で帰る際 助手席に乗り込もうとしたとき
どこをどうしたら起こったものか分からないが 強烈な痛みが走った。

慎重に動くように と言われたのは この事かこういう場合の事か と
納得した。

夕食の準備や後片付けをする時にも痛みが次第に強くなるし これまで
使っていた車椅子の背もたれにさえ 痛みが来て背中を着けられない。

当分は 背中と腰に埋め込んだ物が あるべき場所にしっかり定着する
までは 術後に出てきた痛みはなくならないのだと 身をもって知った。

退院時 レセプトを見て驚いた。

今回の入院手術にかかった費用の総額が なんと三百八十万円弱。

それだけ大ごとの事をしたのだから 軽々しく考えてはいけないのだ と
そちらの面からも 思わされる。

とかく暴走しがちな自分に「慌てない 慌てない」と 言い聞かせている。

一昨日 開かない と思っていた病室の大きなガラス窓が 換気のため
だけを目的にしてだろう。

片側が わずか五センチ程度ではあるが 開くことを知った。

さっそく開けてみると たった五センチでも 七階だからか かなり
強く風が吹き込んで ブラインドを開閉する長い鎖状の紐を
パタパタシャラシャラと 音をさせて揺する。

もっとも 風と一緒に入ってくる空気は 熱せられているからか
ムッとしてドーンと膨らんだように感じるが。

風は 熱い空気だけではなく 外界の物音も運んで来る。

遠く真正面で高速道路のトンネル工事や橋脚工事が行われているから
あちこちで動いている重機の音が 周囲の山に跳ね返えるからだろう
ステレオタイプで増幅して 下方から聴こえてくる。

また見下ろす場所が駐車場だから 車が出入りする度 料金所に
設置されているらしい機械から 小鳥の鳴き声のような人工音が
絶えず聴こえてくる。

窓を閉じたままでも 救急車やパトカーのサイレン音はよく聞こえるが
たった五センチ開けるだけなのに 耳からの情報は一気に増える。

心の窓も然りだろう。

開ければ開けるだけ 入ってくる情報量は多くなるし そうなれば
それまで囚われていた小さな思いや考え方が 新鮮な空気に
かき混ぜられて 新たな思いに変わるかもしれない。

サイボーグになったのを機会に 新しい自分になれたら と思う。

お昼前 外来へ来るよう呼ばれた。

昨日 医師二人が病棟へ見えた場へちょうど夫が来合わせた。

その時に 「明日の外来を午後一時半ごろにしてありますから
もしよかったら ご主人も入院中最後の微調整に立ち会われますか」
と言われた。

なので 夫はその時間に間に合うように外来へ来るつもりだった。

ところが 呼ばれたのは十一時過ぎ。
これは多分 医師が時間を間違えたな と思ったが おそらくすでに
業者が来ているのだろうから 肝心なのは当人の私なのだし と思い
降りて行った。

外来ですることは 機械と電流の流れや場所 その強弱の調整しか
なくて 処置は昨日の抜糸で完了しているので何もない。

退院後の暮らし方や これまではしてもよかった事でも今後はしては
いけない事など 日常生活を送る上での細かな留意点について聞いた。

今日を除くと今後は 入院中に度々したような業者と会って話す機会
は減るので 疑問点や確認したいことなどを この際 思いつく限り
質問し 業者の方も 正確に詳しく説明できない事は 調べたり
しながら答えてくださった。

電流の流れの部分的強さの配分を変えてもらったり そんなやりとりを
一時間以上もしたので 病室へ帰るのが遅くなった。

外来へ呼ばれて降りる前 夫へ 時間が変わったから来なくていい と
慌ててメッセージを残して出かけたので 途中で夫から電話があった。

途中で医師も 時間の間違いに気がつかれ 恐縮されたが 偶然だったが
夫は 昨日会って話を聞いていたので大丈夫だと伝えた。

医師だって人間。
おまけに たくさんの担当の患者を抱え 分刻みで動いている身だ。
こんなミスは 私の許容範囲の些細なこと。

そして 医師と相談して 退院日を木曜日に決めた。
木曜日の午前中は 担当医の外来診察がある日なので 診察を済ませた
上で退院することになり 次回の診察は翌週の火曜日のいつもの時間に
予約を入れてもらった。

入院の過程がここまで進んでも 医師は 夕方 病室へ様子を見に
来てくださったし 明日もまた来るから と言って帰って行かれた。

まったく 医師のお手本のような方だ。



 



今日お昼過ぎ 外来で 傷口を止めてあった残りの針を全部抜いた。

背骨はそうではないが 腰に近い臀部の機器を埋め込んだところは
手術の際に傷ついた細かい神経が まだ回復していないからだろう と
言われるが 抜糸の時に まるで部分麻酔をかけたかのように チクッと
も感じなくて ドーンとした無感覚のままだ。

それに 皮下脂肪をかなり削ってから埋め込んであるはずなのに 今も
まだポッコリと膨らんだままだ。

次第に自然に引っ込んでいくから と医師は言われるが へっこんで
平らになり外から触れなくなるには 何年もかかるらしい。

ずっと感じている新しい腰の痛みも 落ち着いてくればなくなる と
言われるが 今はまだ朝夕の痛み止めが要る。

明日 入院中の 器械と電流の微調整が 最終的に行われる。
実際に機械をコンピュータ操作して調整する業者二人は トライアル
の時からの担当者たちだから 医師と同様信頼しているが 実際に
電流の流れや強弱を感じるのは私自身だから 明日は これまで以上に
感覚を研ぎすませて調整に臨むつもりでいる。

退院が近くなってきた。

その日取りも明日決まる。

「退院したらいっぺんに猛暑の中での生活になるから 散歩は
考えなくていいので 家の中で静かに過ごすように」 と 夕方
手術に立ち会ってくださった医師と一緒に 病室へ様子を見に来て
くださり 二人してそのようにおっしゃった。

大きな手術の後だし まだ埋め込んだ物が固定されていないから
しばらくは無理はしないように ともおっしゃった。

それにしても いつも二人で病室をのぞいてくださる。 

もう一人の医師は たまたま娘と同級で仲が良かったという縁がある女医。

二人とも 私が大学病院へ飛び込んだその日から関わってくださっている。

心にかけてくださっている と思うと サイボーグのようになって生きる
これからだから より心強く感じる。

病室は北側一面がガラスになっていて七階だから はるか向こうの霞んだ
山々の嶺まで よく見渡すことができる。

朝 大きなブラインドを上げると 空っぽのだだっ広い駐車場と
高速道路のためのいくつもの作りかけの橋脚が 目の前にある。

ガラス窓の外へは出られないが 外は幅が二メートルはあろうか
ベランダになっていて その上には八階との間から同じ幅かもっと長いか
と思える庇がのびている。

だから 朝夕の陽は入らないが 室内は申し分なく明るい。

そしてベランダは 部屋ごとの区切りがなく階全体がつながっていて
その端に沿って細いワイヤー状の物が張ってあり 腕がのるくらいの
高さの一番上は 数センチ幅の金属だ。

そのベランダに ときおりお客様がある。
どこからか飛んで来ては 鳥が一番上の金属にとまるのだ。

カラスのこともあるしスズメのこともあるし また鳩のこともある。

でも やって来るときは どの鳥も必ず一羽だ。

そして しばらく病室の前を行ったり来たりし しばしば体全体を病室
に向けては 丸々の小さな目を じっと見ている私の目と合わせる。
 
確かに目が合っていると思うのだが 鳥たちは その認識がないのか
何の反応も見せず 数分もすると 飛び去ってしまう。

ところが 今日の訪問者は鳥ではなく トンボだった。
それも 近ごろは田舎でさえ滅多に見られなくなったオニヤンマだ。

病室前の庇下でホバーリングしながら やっぱり病室を見に来たかのように
顔をこちらに向けて トントントンとガラスをつつくような動作を
繰り返していた。

外界がハレーションを起こしたかのように白っぽく薄れて見える真夏
面会禁止の病室を訪れるのは 鳥たちやトンボしかいない。

そして今日は 戦後七十五回めの終戦記念日。
そして 今日は 亡母の誕生日でもあった日。

全国いっせいに捧げられる鎮魂の黙祷は だから 私には二つの
意味を持つ。

今年は 酷暑の外界とは切り離された ときおり鳥やトンボが訪れる
静かで穏やかなこの病室で 二つの祈りを捧げた。 

トンボは別名「勝ち虫」という。
前へ進むだけで絶対に後戻りしない。
そんな性質が古来から武士に好まれ 兜の御印や着物の柄にも
なってきた。

今日は終戦記念日。
絶対に後戻りしてはいけない と 日本国民の全てが改めて誓う日。

そんな日の朝 病室の外へ来てくれたトンボ。

「この手術を機に前を向いて進め」と 亡母が励ましに来てくれた
のかもしれない。

トンボの姿になって……。




今日木曜日は 担当医の外来の日

昼食後に外来へ降りて行くように と指示があって 午後一時に外来へ。

そろそろ傷口がきれいになっているので いくつか外してみましょう と
言われ 三分の一くらいを抜糸した。

ホチキスの針のような物で傷口を縫合するのが 残る傷跡が一番きれい
らしいので今回はそれで留めてあります と言いながらチョキッチョキッ
と小さな音をさせては皮膚を引っ張って外していく。

引っ張られるときには痛い。
これでちゃんとひっついているのかしら?と 背中が見えないから心配
になってくる。

医師が息子のような年齢だし長年の付き合いだから 遠慮なく
「先生 痛いけどちゃんとくっついてます?」
「縫った跡 きれいになります?」

などと背中を向けながら聞くと
「大丈夫です ちゃんとくっついてますから」
と応えながら チョキッチョキッ「 ア!今痛かったですね 」と
言いつつ 五つくらい外した。
 
そうして 午後の五時には 改めて病室へ来て様子を診ていかれた。

明日は先生の外来はない日だが 夕方また来ます と言われた。

そして退院は 来週の火曜日に微調整するときに傷の具合をみて
決めましょう と言い置いて病室を出ていかれた。

退院は 多分十九日か二十日になるのでは と思った。

夏休み中だから いつでも夫が迎えに来てくれられる。

ちょうど 猛暑のうちを病院で過ごし暑さを避けられるかたちになる。

毎日 朝昼夜の看護師の回診の時 痛みの度合いは?と 聞かれる度に
レコーダーのように毎回 同じくらいの痛さの度数を答えてきた。

普通 日が経つに連れて傷の痛みは薄れるものなのに この痛みだけは
今までと違うこの痛みだけは 全く変わらずに居座っている。

それも結構な度数の痛みなので 昨日の朝 以前トライアルの時に
処方してもらった痛み止めが残っているから それを使ってもいいか
看護師に聞いたら 使ってもいい但し八時間は間隔をあけて と
いうことだった。

早速 同時に処方されている胃薬と一緒に飲んだ。

効き目があって 少しだが痛みが薄らいだ。
それがあったから 午後に二階へ降りて行って歩く気も起きた。

でもこの痛み止めは 私には合わないらしく トライアルの入院時には
胃に不快感が生じた。

だからできるだけ間隔をあけて 夜寝る前に二回目を飲んで寝た。

でも 今朝目覚めてみると やっぱりムカムカする。

昨夕 医師が来室された時にも 胃のことを指摘され そのような
症状が出たら言うように と言い置いて退室されたので
今日 外来受診の際に そのように伝えるつもりでいる。

多分 胃薬をもっと強い薬効のあるものに替えられると思う。

どこかがおかしくなると その症状を改善させるために 新たに別の
薬が処方される。
それで何か支障が出ると また新しい薬が加わる。

西洋医学はそれで成り立っているのだから仕方がない。

症状を発生させているモトが良くならないと 薬は減らない。

さて 私は 今回の手術で いくつ薬を減らせるだろう。

 

お昼過ぎ ベッドのシーツ換えがあった。

シーツの交換は 毎週水曜日 と決まっている。

前ぶれがあったので 邪魔にならないように と 本とスマホに
いつも貴重品入れの鍵や小銭などを入れて持ち歩くバッグを持って
病室を出 エレベーターで二階へ降りようとした。

午後の二階は外来患者はまばらで リハビリがてら歩いたり
運動不足の解消に歩いたりしている入院患者の方が多い。
置いてある椅子やソファもガラガラだ。

だから 私も歩いたり腰掛けて本を読んだりして 時間をつぶそうと
思って病室を出たのだ。

分厚いガラスのドアを開けてエレベーターの前へ向かおうとすると
マスクをしているのにもかかわらず なんだか異様な臭いがした。

病院だから こんな臭いが漂っていてもおかしくはないのだが
でも 今までこの病棟でこの臭いを感じたことは一度もなかった。

ドア際から三、四歩足を運ぶと 絨毯敷きの床に上に 何やら
茶褐色のちぎれたようなモノが落ちているのが目に入った。

紙屑か?と思ってよく見ると 悲しいかな 老眼ゆえにハッキリと
した正体はつかめないが どうやら臭いの元そのものらしい。

エエッ!なんでここにコレが⁉︎

驚いて エレベーターの方向へと これから行く先を目でたどると
アララ!アラアラ⁉︎ 三つ四つ五つと直線状に並んでいるではないか!
ソレが‼︎

どうして?なんで?
なんでここにこんなモノが落ちているわけ⁇

見つけた以上 このまま知らんぷりもできなくて ドア向こうの
ステーション付近の 一番近い所にいた看護師に知らせた。

そうしておいて 自分はソレラを踏まないようにしながら
エレベーター前へ行き 二階へ行こうとボタンを押した。

すると 上へ上がったエレベーターが すぐに降りてきて止まった。
ドアが開いて 乗り込もうとした時 またもや 匂いのもとがあるのを
発見‼︎

最初に見つけたモノと同じくらいの大きさのモノが エレベーター
の床に ポトン と……‼︎
コリャアこのままにしておいては どこかの階で止まった時に
何も知らない人が踏んづけてしまう……

七階の停止ボタンを ずっと押し続けながら ホールを
通る人か他のエレベーターから降りる人 誰にでもいいから
事のわけを話して もう一度看護師か誰かに伝えてもらわねば!

しかしどれだけボタンを押していても エレベーターは三台あるから
他の階でボタンが押されると 動いてしまった。

アララ!どうしよう‼︎

運よく直ぐにエレベーターが上がって来て人が降りたので 事情を話す。
そして 踏まないように と言葉を添えながら 看護師か誰かに 
この事を伝えてくれるように頼んだ。

驚き顔の看護師が二人ほど来て 状態を確認し戻って行ったと思ったら
その直ぐ後に 清掃係がやって来て その人が始末し始めた。

それ以上そこにいる必要がない私は 次に来た別のエレベーターに乗って
二階へ行った。

そんな事にかなりの時間を費やしたから 一回りだけ二階フロアを歩き
ちょっとの間ソファに腰を下ろして本を広げただけで 病室へ戻った。

病室は 意外に出入りがある。
なんやかやと看護師が来るし 洗面所の掃除だのトイレの掃除だの
備え付けのエプロンや手袋の補給だのゴミ集めだの と 色々な人が
入って来る。

だから 病室を空けるのは せいぜい一時間がいいところだ。

戻ってエレベーターを降りると 床は跡形もなくすっかりきれいになって
いた。

さすが 清掃の専門員だ。
見事な仕事をする。

当然 臭いもしない。

こうして まさかの💩💩💩騒動は治まったのだった。

前回トライアルでの入院では 学内の火事を目撃し
今回は この騒動だ。

入院生活は 淡々と過ぎるようでも 日々なにかと事件は
起きる。