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去年の秋 友人に 珍しい場所へ連れて行ってもらった。

あるお寺の敷地に接してある 菩提所だった。
結構広い面積に 立派な五輪塔や墓碑がたくさんの数建っていて その間あいだには
灯籠が こちらもたくさんのこと建っていた。

ちょうど近くの墓地の草取りをしていた方から その菩提所の話を聞くことができた。

今は本家に当たるお宅が 名古屋にあるらしいが 信長の時代に頭角を現して
徳川家康にもつかえて続いてきた 石河 という名の武士の家系の菩提所だ。

現在は 年に一度子孫が管理に来るだけで ほとんど放置状態なのが悩みで
市の文化財に指定されているから 市のボランティアが何回か草取りをして
ようやく保っている。

このようにたくさんの墓碑が集まっている菩提所は 高野山以外はここだけらしい
から もったいないことだ。

その人は そう話してくれた。

刻まれた文字は時の移ろいに消されてしまい黒くなった夥しい数の
墓碑や五輪塔の佇まいは その場所だけが周囲から切り離されたかのようだ。
連綿と繋がってきた一族の思いを感じて 丸い自然石が飛び飛びに埋められた
その場所の中までは入って行けなかった。

何か言葉にできない感覚を覚えながら帰って来たからか その菩提所のことが
忘れられないでいた。

そうしたら なんと今読んでいる時代物の中に 石河氏の名前が出てきた。
江戸中期 四千五百石取りの大旗本で江戸城留守居役 として登場していて
石河美濃守氏 と ある。

読んでいても感銘を受けるような小説ではないが たまたま記憶していた
菩提所の氏名だったから驚いた。
作者が時代考証し 調べた上で出したものだろうから 確かに江戸時代にも
幕府の重要な位置にあった 名門の氏に違いない。
江戸城の留守居役にまでなるからには あの菩提所に建っていたどれかの
大きな碑か塔に名が刻まれているのかもしれない。

偶然目にした氏名に あの菩提所のことをまた思い出した。

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御冥福をお祈りして

本数は増えたものの……

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