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十一時からの告別式に間に合うよう 今朝七時五十分ごろ家を出て 高山へ向かった。

途中 高速道路上で事故があっても困るし 雪が激しく降っていても渋滞するから と
十分に時間をみての出発だった。

雪道を走る という想定だったから 昔 子供達を連れて車で移動する時には 必ず
おにぎりを握って持ち 甘いものやお茶はもちろん 毛布などの暖が取れるものを
積んで動いたことを思い出して 同じように準備して車に積み込んだ。

ところが 行きも帰りも道路上に雪はまったくなくて そこまでする必要がなかった。

それより困ったのは 私の頭髪だった。
十二月に美容院へ行った時に いつもよりかなり長めに仕上げてもらっていたから
今はそれがもっと伸びて まとまりのつかない状態になってしまっている。

訃報の電話が入ったのが土曜日の遅く 次の日の日曜日は 私の行きつけの美容院は
三時で終業する。電話してみると 予約で埋まっている。おまけに月曜は休業日だ。
完全にアウト!

仕方なく 昨夜 洗髪の後 前髪だけをスプレーして電気カーラーで巻いて寝た。
今朝起きて直ぐに 後ろとサイドのカーラーを巻くために再度温めて なんとか
見苦しくない程度に全体を梳かしてまとめ 出かけて行った。

ありがたいことに順調に走れたので 開始時間より一時間も早く高山に着いた。
喫茶店で時間を潰し 告別式へ。

何年も前に膝を傷められた奥さんは ますます歩行が難しくなっていて 車椅子に
座っていらっしゃった。
その車椅子を 終始娘さんがお世話してみえた。

飛騨の儀式には 古くからのしきたりが色濃く残っている。
特に 他人様を相手の事は 頑固なまでに変えない事項がある。
例えば お通夜や葬儀の開始前は 必ず遺族が玄関に立って 弔問客を迎える。
同じ県でも 私が住んでいる地方には このしきたりがない。

今ではそこまでのこだわりがあるかどうか分からないが
母の葬儀の時には 弔問客への返礼品を渡す際 別にその品を入れるように
袋が付いているにもかかわらず 袋は畳んで品物の下にして それをまた
お盆に載せてお渡しした。香典を頂戴するのも 当然そのお盆で受ける。

私が住む地方では 品物は最初から袋に入れてあり 下げられるようにしてある。
弔問客は 渡された袋をそのまま持ち帰って行く。 出された香典は 手で受ける。

個人の住宅や寺院で執り行われていた葬儀が 専門の葬儀会社が請け負うようになって
少しずつ変わってきているようだが これだけは という点だけは 今も変わらない。

喪主とその妻もしくは遺族の中の女性が 男性は紋付羽織袴 女性が喪服 という和服姿
であることも 異なる点だ。

もっとも飛騨では どの家でも紋付羽織袴を持っていない男性はいない と言っても
いいくらいだから 貸衣装を利用する男性は少ないだろう。

なんて面倒なの とか 古臭い 肩苦しい と 慣れていないと思いがちだが
ここが日本で 礼を尽くす気持ちを姿で現す と考えれば なんの不自然さもない事だ。

今日の葬儀も お盆での受け返しこそなかったが 袋は畳んだまま品物の下に。
遺族は揃って和服姿で玄関に立ち 弔問客を迎えておられた。

夫と私は 出棺を見送った後 会場を出た。

去年の夏 それまで元気だった先生が大腸癌だと判明 それから入院生活を送って
いらっしゃったらしい。

私たちは その少し前にお宅を訪ねていた。
その時 先生は この頃腰が痛くて とおっしゃっていたことを思い出す。
あの時 癌はすでに先生の体の中で暴れていたのだ と思うと居たたまれない気がする。
また例年なら年の暮れには伺うのに 去年は渋柿が凶作で干し柿ができず 伺わないまま
年を越してしまった。
最後に もう一度お会いしたかった。


焼香をする時 棺にお花を入れる時 出棺を見送る時
本当にお世話になりました ありがとうございました。
どうか安らかにお眠りください。
そう心で念じながら 数珠をかけた手を合わせてきた。






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