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今年の 干し柿にする伊自良大実柿は とても成りが良かった。それもどれも実が大きくて。

去年が散々な出来だったから 今年こそは と 夫は早くから楽しみにしていた。

そして 息子に手伝わせて収穫 夜毎一人で剥いては連にし軒下に吊るしては干した。

そのまま出来上がれば 何の問題もなく伝統のある美味しい連柿になるはずだった。

ところが 私が骨を傷めて寝込んでいた間のことで 私は全く知らなかったが
後々夫が話したところによると 叔母の家へ用事で立ち寄ったとき 干し柿の話になった
という。

そのとき 叔母が夫に 蜂谷柿やアンポ柿は 干す途中で揉んで柔らかくするらしいから
伊自良の柿も 揉めば甘くて柔らかくて食べやすくなるんじゃない? と 言ったらしい。

たしかに 夫が作る干し柿は しっかり干し上げるから 出来上がったものは硬い。
もともと 冬場の甘味や料理に使ったりするようにと 雪が降るまでに硬く干し上げて
冬の間の保存食になるように乾燥させ 連にし吊るしておくのが 伊自良大実柿で作る
伝統的な連柿なのだ。

だから 昨今時流のようになっている柔らかい食べ物に比べると 随分硬くて食べにくい。

多分 夫もそれは感じていたことだったに違いない。
だから 叔母が言った一言が夫には響いたのだろう。

叔母に言われて夫は 今までしたことがなかったのに 干している途中で一つ一つを
柔らかくなるようにと 揉んだらしいのだ。

最近になって もう出来上がったかと思われるちょっと傷の多い柿の串を いくつか
長男宅へ 夫が持って行った。

すると 夫が帰宅するかしないかに 長男から電話が来た。

柿が発酵したように酸っぱくなっていて ちょっと食べるにはどうか という状態なんだけど
お母さん知ってる?食べてみた?

エエッ!発酵してる?酸っぱい!?

私はまだ食べていなかった。もういい頃か と思っても 決して自身では触ったことがない。
夫が もう食べられるぞ と言って テーブルへ持って来るまでは 自分からどうこうすること
は一度もない。
干し柿は すべて夫のものだからだ。
だから まさかそんなことになっているなんて思いもしなかった。

どうしたことか と 帰宅した夫に 長男の電話を告げると 驚いた夫が 自分でも一つ
食べてみた。
私も一つ 食べてみた。

長男が言う通り 酸っぱくなってしまっていた。

夫が 酸っぱい と知って 驚いたり がっかりしたのは 言うまでもない。

酸っぱくなったのは たぶん……と 夫の話からことの訳を知った次第だった。

なぜ どうしてそんなことをしたのォ!今までそんなことしたことないでしょ!
お父さんやお母さんが作ってみえた時だって 揉むなんてこと一度もしたことないでしよ!

連にして硬く干し上げるのが 伊自良大実柿で作る連柿なんでしょ?それが伊自良大実柿の
伝統的な干し柿の作り方なんじゃないの!

夫の苦労をずっと見てきた私は 彼の連柿に対する思いを知っているだけに 連柿作りを
始めてからというもの 一度もそれに対して口出しをしてこなかった。

亡くなった父母や祖先の思いを受け継いでする作業だから 私が入る余地はない と思ったし
黙々と皮をむく彼の背中は 余計な口出しを拒んでもいたからだ。

でも 今回は 自分が関わって作ったわけでもないのに つい大きな声を上げていた。

夫の連柿作りに対する深い思いを知らない叔母の 軽い気持ちで言った言葉に
なんで乗ってしまったのか……。

叔母の一言を 夫が聞いたまま実行しなければ 今頃は立派な連柿が出来上がっていたはずだ。
それも何十連も……。

夫も残念で悔しいらしいが 私も悔しい。

そんなわけで また今年も 待っていてくださる方々の期待を裏切って 我が家の連柿は
不作ではなかったのに 不出来 になってしまった。
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