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私は 今 私には分不相応な物を 一つ持っている。

それは 書道道具の一つ 文鎮だ。
この春 古希を迎えた祝いに と 思いがけず次男が贈ってくれた。

子供の頃から習字が好きだった私は 小学校から高校を卒業するまで 同じ道具入れを
大切に使っていた。
そのうちでも 赤くて長い文鎮は 大人になってあらためて書道教室に通い始めてからも
ずっと使い続けてきた。

しかし さすがに経年で 赤い色は所々剥がれて その部分に錆色が出ていた。
それでも愛着があって捨てられず 新しくすることも考えの外だった。

多分息子はそのくたびれた文鎮を どこかでチラッと見たのに違いない。
そして 本当に思いがけず 誕生日に文鎮を贈ってくれた。

その文鎮の素敵さがまた スゴイのだ。
それは古代の銅鏡の形をしていて 面には七宝で繊細な文様が施されていて 桐の箱入りで
初めて箱を開けた時には まさか文鎮だとは思わず きれいな飾り物だと思ったほどで
箱の内側には紫のビロードが貼ってあって 文鎮がキッチリ収まる造りになっている。

あまりにも装飾がきれいだし きっとそこそこ値段もしただろう と思うと 贈ってくれた
息子の気持ちが嬉しくて あだやおろそかに扱えなくて しばらくは道具箱に入れたまま
使えずにいた。

そんな私の気持ちを察したのか 息子は 書道教室へ送ってくれる度に
「文鎮 使ってる? 使ってよ」
と 繰り返して言った。

それで おそるおそる使い始めたものの 必ず桐の箱から出して使い 今も終わったら必ず
箱に入れて保管している。

ずっしりと重みのある文鎮はピタッと半紙を押さえてくれるし 七宝の文様に目をやると
それだけでいい字が書けるような そんな気がしてくるから不思議だ。
息子の思いがこもっている と感じるからだろう。

書道の時間が終わる度に箱を取り出し 開けてビロードの窪みに文鎮を戻し入れながら
「面倒でも粗末にはできませんわぁ」 と笑いながら言うと 先生も「息子さんの思いが
こもった文鎮ですもんねえ」 と 笑いながら返してくださる。

今は身に沿わない立派なこの文鎮が いつかは相応しい品になるよう 精進しなければ 。
贈ってくれた息子のためにも。
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早く起きても役に立たない私

生シラス

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