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  夜半 目覚めてベッドに腰掛け そっとカーテンを開けてみる
  通る車もなく 近隣の物音も途絶えて 皆 深い眠りのなかにある
  中天に昇った欠けた月の ほの白い光に照らされ
  辺りが ひっそりと浮かび上がって見える
  ただ 虫たちのさざめく声が 遠く近く 窓の外から聞こえてくる

  痛みに目覚める夜半だが
  虫たちが騒ぐこの季節だけは 彼らの澄んだ音色が 傷んだ体を慰めてくれる

  こんこんと眠る夫を気遣い 静かにベッドを抜け出す
  ひそかに居間の灯りをともし 読みかけの本を開く
  登場人物たちが 物語の中へ私を誘っていく

  どれほど時間が経っただろう
  虫たちは 相変わらずの恋模様を 強く弱く奏でている
  草むらの儚い恋は どんな結末を描くのだろう

  少し冷えた体をベッドへ運び 夫のかたわらに横になる
  まだ夜明けまでには間があるようだ
  眠りのなかへ帰っていこう 
  虫の音を聴きながら

  目覚ましが鳴るまで

   
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