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  明日から 夫は渋柿の収穫にかかる。
  その前に 干し柿の連を作るためには まず 剥いた渋柿を三個ずつさす竹串を
作らなければならない。 孟宗竹を切り出してきて串の長さに切り 切ったものを刃物で
細くさいて竹串を作る。毎年およそ四十連ほど作るから串の数は四百本ほどになる。
  年々作る連の数は減っているから今年は三百五十本ほどか。先週の土日でそれを作り
何回かに分けて沸騰するお湯に入れ消毒した後 それを乾かす作業を終えた。
  収穫した柿を玄関に入れておき 室内に敷いて剥くためのシート 連にするのに必要な
ロープや 連にしたのをカビないように燻蒸するための道具などなど 準備するものも多い。
  それらが もうまとめられて玄関に陣取っている。

  明日の晩からは 柿剥きが始まる。
  そうして 完成品にするまで 手間と時間が費やされる。

  その昔 この干し柿を市に出して得るお金が 唯一農家の現金収入だった。
だから 市場でお金が入ると そのお金で亡父は子供たちにグローブや長靴など
欲しい物を買ってきてくれたという。買ってあげられる幸せ 買ってもらえる幸せ・・・
その日を思い描きながら 父母はもちろん夫も嫌がらずに手伝ったのだろう。
  夫の作る干し柿も立派だから 売ったらと言う人もあるが 夫にその気はない。
  皆さんに褒めてもらって 美味しいと言っていただくのが嬉しいのだ。

  昔 夫が今は亡き父母を手伝った干し柿作り。 夫が生家を離れた後は 亡父母が
黙々と背を丸めて夜なべでした柿剥き・・・夫が生まれるずっとずっと前から生家の畑に
植わった渋柿の木は 祖父母 父母と受け継がれ 彼らの想いとともに夫に渡された。
  だから 干し柿作りの作業は 夫にとっては一年中で一番大切な農作業だ。
  
  今は生家のある地域でも 干し柿を作る農家はめっきり減って あれほど有名だった
干し柿の連がまるで暖簾のように軒下に下がって干される情景は 見られなくなっている。
  手間のかかる割に見入りが少ないのと 昨今は冬場に甘いお菓子や食べ物がたくさん
あるから地味な干し柿はあまり好まれなくなったからだ。それに 見合う値を求めれば
とても高価になってしまう。それなら洋菓子を買ったほうが 見栄えもいいし好まれる。

  それでも夫の作る干し柿は大きくて甘いから 差し上げる方はとても喜んでくださる。
  それに 干し柿は 元々日本の年越しとお正月には欠かせない縁起物でもある。

  夫は また今年も さしあげる方々の顔を思い浮かべながら 父母を想いながら
柿を収穫し 皮を一つ一つ丁寧に剥くだろう。
  父母と同じように 黙々と 背を丸めながら・・・。
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柿ちぎり始めに合わせて

日本ってやっぱりスゴイ!!

comment iconコメント ( 2 )

又今年も干し柿作り作りの季節が

文章を読みながら あの干し柿ができるまでの

一連の作業と それに対するご主人の思いと 作業の大変さが よくわかり

熱い思いが こみあげてきました。あの柿には ご主人の いろんな思いが

こめられてることが よくわかり ほんとに 頭がさがる思いを強くしています

名前: ine [Edit] 2014-11-08 06:51

親思いの人ですから 黙っていても熱いものがあるのだと見ています。

黙々と皮剥きする夫の背中に 亡くなった儀父母がついているような
気がします。

名前: きょん [Edit] 2014-11-09 18:16

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