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昨日 一年ほど会っていなかった友人と会った。

あいにくの雨の日だったが 彼女は 前庭いちめんに彼岸花が咲くお寺へ
連れて行ってくれた。

足を運ぶ細道以外は どこも赤い花で埋まっていた。
長雨に濡れて咲く彼岸花たちは 長いしべの一つ一つに露を宿して
陽の中で見るそれとは また違った風情があった。

彼岸花は 川岸や土手に一むら咲いているのを 離れて見ることが多い。
一面に狂ったように咲く たくさんの赤い彼岸花を こんなに間近で見ると
日本に一千以上もあるという この花の別名を 思わずにはいられなかった。
妖しげな花の形状と血を想わせる花色と ましてや全草に毒性があるということが
刺激となって 日本各地の土着性と結びついた 様々な呼び名を生んだのだろう。

時代物に 未だどっぷりハマり込んでいる私は
おびただしい数のこれらの花が 満開の時期を過ぎる頃には どんな景色見せるのか
と 意地悪い長屋のかみさんの心情で思った。

今は 花魁の花かんざしにも似て 長いしべを華やかに揺らしている花たちだが
真っ赤な花頭が色あせる頃には しべもダラリと垂れ下がり ただの枯色になるだろう。
凛と立つ瑞々しい緑の一本茎も その頃には腰折れて 葉のないことの情けなさを
思い知るに違いない。
目に浮かぶ みすぼらしくひ弱に崩れ立つ姿は あわれな夜鷹の群れのように想えて
なんだか哀しささえ感じていた。

場所がお寺 というわけではないが
あまりにも美しいものには 常にその果ての姿がついてまわる。

美しいけれど 見るものの心を寂しくさせる 彼岸花の群れだった。










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