FC2ブログ

たった二泊するだけだし 正直言って私は うるさいのが嫌いなくせに 独りぼっちは嫌で
喧騒からちょっと離れて 独り というのが 一番好きだから 今回の入院も 四人部屋でいい
と決めていた。

正直言って 個室 というのは 元来あまり好きではない。
物音が聞こえないのが 私は返って怖いのだ。
病院ならなおのこと 個室は嫌だ。


この部屋に入院した時には二床が空いていたが たちまちその日のうちに満床になった。
前から入っている人は どうも心臓が悪いらしい。
後からの人のうち一人は 認知症のうえどこか重い病因を抱えているようだ。
一番後に入ったのは 夜中までかかった重い手術の後に運ばれて来た患者だ。
だから 私以外は重病の人ばかりだ。

三人には絶えず看護師の出入りがあり それも頻回で 真夜中もそれは変わらない。
この二晩 看護師の出入りが少なくなるのは 夜中の二時を過ぎた頃になっている。
看護師たちは その度に ガタガタカタカタとカートを押して 何人かで出入りし
夜中といえど 互いに大きな声で話しながら 看護していく。

出入りする訳は 患者の発熱 脈搏異常 嘔吐など様々だが こんなことは病院なのだから
こちらも承知の上で 同室者は相身互いだから 眠りを妨げられても仕方がない。

ところが 問題なのは 認知症の患者だ。
自分が眠るときだけが静かなだけで あとは 五分と間をおかず看護師が駆けつける。
なぜかといえば 状況も何も理解できないために 絶えずナースコールするからだ。
点滴や他の管を引っ張って外さないように 絶対に外せない手袋を着けられているから
余計に それが気になって呼ぶ。

看護師も まただ と思っても来ないわけにはいかないから 律儀に その都度駆けつけ
その度に 同じことを言い聞かせては帰って行く。
それが 二晩とも朝方の四時まで続いた。
昼間数時間来て行く家族は まさかそんな状態だとは思ってもいないだろう。

ありがたいことに 最近の病棟は皆こうなのだろうか。
夜中に枕元の読書灯を点けていても 誰からも注意されないし
覗きもされないから こちらは どれだけ眠れなくても 本を読むことで
しのげるから ありがたい。

そういえば 病棟一斉の消灯もないし 見舞客へ帰りを促す放送があるだけだ。
ベッド周りのカーテンを閉じておくのも常識になっている。
昔は そうしていると看護師が怒って サッと開けられたものだ。
患者のプライバシーや人権に 重きをおくようになってきた結果
患者個人個人の自由を認める範囲がひろがったのだろう。

重病者と同室の患者は この自由さがあればこそ 苦情も言わないでいられる。

それにしても 看護師は本当に大変だ。頭が下がる。
中には 声音も高く厳しい物言いで応じる看護師もいるが なんといっても認知症だから
そんな相手の気持ちなど 斟酌なく いっとき叱られてへこんでも 直ぐに忘れて
その看護師がステーションに帰り着かないうちに もうコールしている。
それでも 誰か彼か駆けつけて来ては 理解できなくても言い聞かせては帰る。

この患者が入院している間は こんなことがずっと続く。
きっと 夜勤明けは どの看護師もクタクタになっているだろう。
心から ご苦労様 と 言いたくなる。

一方 隣で眠れない私はといえば できるだけその人の眠る時間に合わせて
睡眠をとることで なんとか対処している。
とはいえ たった二晩だから我慢もできるが これがそうでなかったら
さすがの私も 個室に移らせて と言い出すだろう。

この 賑やかこの上ない病室も 今日の午後には 退室になる。

幸い 熱を流した足の痺れも 少し感じる程度になってきた。
まだ力の入り具合が弱くて不安定ではあるが 杖だけで なんとか歩ける。

さあ 今夜は 自分の匂いが染みついたベッドで ゆっくり寝ようッと 😏
スポンサーサイト



『月は魂の真夜中』

一応 無事に終了オ〜〜‼️

comment iconコメント ( 0 )

コメントの投稿






trackback iconトラックバック ( 0 )

Trackback URL:

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)