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ちょっと前までは リビングにある二ヶ所の ガラスの掃き出し窓からは
山の裾野が見えた。

芽吹きどきには 木々のツヤツヤとした若葉
春も本番になると 竹群らからは 瑞々しい筍が生え
初夏になると 木々に絡みついて咲く 見事な藤の花
秋は秋で ナラやシイの木が どんぐりをいっぱいにつけ
色づいた葉っぱを落とした冬には こんもりと 真っ白な雪が覆い

春夏秋冬 居ながらにして 季節の移ろいが楽しめた。

それらの景色が見たさに ここに家を建てたようなものだった。


それが 高速道路の建設工事が進むに連れて
山は日に日に削られて 山肌の黄土色がむき出しになり
それが済むと 山頂に作られるという料金所へ繋がる路が 次第に高さを増し
今では リビングからは 何にもない空の半分しか 見えなくなってしまった。

西日を浴びて 風にはためく洗濯物の向こうには
今も たくさんの重機が その上を行ったり来たり 動いている。

日本でオリンピックが開催される頃には 完成したこの道路を
たくさんの商業車や自家用車が 行き来するだろう。

私たちは 生活の便利さを手に入れるために 目に見えるものだけでなく
目に見えないものまでをも手放しているが
それも ときのうつろい と いうことなのだろう。

便利になれば 誰もが 普通に その便利さを享受しようとする。

今は 新幹線を使って帰省している娘たちも
住まいのすぐ近くの高速に乗れば 高速だけを使って来られるようになる。

その頃には 私たち夫婦は 遠くまで高速道路を使って行くことはできない。

ただ ガラスの向こうを行き来する車を眺めながらの暮らしが
待っているだけだ。


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すれちがい

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